2025年7月1日、World Aquatics(世界水泳連盟)は、水球競技規則の最新版を正式に施行しました。今回のルール改正は、「試合のテンポ向上」や「安全性の強化」を目的に、構造的かつ文化的なアップデートが図られています。
このページでは、変更点の中でも特に重要な6項目を、わかりやすく解説します。すべての内容は、World Aquatics公式文書をもとにした「非公式翻訳・注釈付き」ガイドです。
※ 国内大会への即時反映は状況により異なるため、各種連盟・大会要項の確認をおすすめします。
ボール保持側がシュートを打たなければならない制限時間のこと。バスケットボールの24秒ルールに近い考えです。
→ 28秒へ延長されたことで、判断・構成・工夫ができる余白が生まれました。
監督が試合を一時止め、選手に指示を出す時間(通常1分)です。
→ 限られたタイムアウト数の中で「いつ使うか」が試合のカギを握ります。
従来: 男子は30m前後、女子は25mだったため、戦術や育成環境に差がありました。
→ 今後はすべて25.6mに統一され、男女共通・試合運営の効率化が期待されます。
ファウルによる退水(退場)後、プールに戻るまでの待機時間。
→ パワープレー(数的優位)の時間が短縮される可能性があり、戦術に影響を与えます。
監督が立って指示できるエリア。過剰なコーチングや抗議を制限するため、範囲が明示的に設定されました。
「見えない反則」対策の強化。
相手を叩く・引っ張るなどの危険行為に対して、より明確な罰則が導入されました。
実際のルール改正は以下の8テーマに及びます:
1. 競技エリア・用具
2. チーム編成
3. 試合時間
4. 試合再開
5. 反則体系
6. ゴールキーパーに関する
7. タイムアウト/VAR
8. 判定運営
以下の公式資料をご参照ください:
•📄 World Aquatics『Competition Regulations (July 2025版)』(リンク)
•📝 World Aquatics『Water Polo Glossary』(2024年版)(リンク)
GK(ゴールキーパー)に関する2025年改正ルールでは、「試合中にFP(フィールドプレーヤー)がGKとして再登録できる」制度が追加されました。試合中にフィールドプレーヤー(FP)をGKとして登録変更できることが明記されました。
条件は以下のとおり:
•主審・デレゲートへの申告
•赤キャップ(背番号入り)の着用
•指定中はGKとしてのみプレーする義務
現時点では国内資料に明記されていませんが、国際大会での対応が先行して進んでいます。
以下の公式資料をご参照ください:
•📄 World Aquatics『Competition Regulations (July 2025版)』(リンク)
•📝 World Aquatics『Water Polo Glossary』(2024年版)(リンク)
次回は、水球の“過去・現在・未来”を知る入門編!
•水球の起源と五輪・世界選手権
•世界の強豪国と有名選手たち
• 日本代表の挑戦とレジェンド紹介
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•World Aquatics philosophy(リンク)
•World Aquatics『Competition Regulations (July 2025版)』(リンク)
•World Aquatics『Water Polo Glossary』(2024年版)(リンク)
•日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(リンク)
•日本水泳連盟『2025年度 水球競技規則ガイドライン』(リンク)
•日本水泳連盟『競技力向上指導指針準備号』(2023)
※編著者:角田壮監、安田純輝(リンク)
•日本水泳連盟『公認水泳競技コーチデベロップメントワークショップ2023報告書
※編集:角田壮監、水野智佳子(リンク)
「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。
KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。