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水球って、どんなスポーツ? ──小学生年代(A区分)のゲーム環境を考える。子どもたちが将来に向けて大きく成長していくために小学生の水球のあり方について提言

2025.12.23

水球は、タフでありながらクリエイティブな、水上のボールゲームです。

泳ぐ・投げる・判断する・仲間と連動する──これらすべてを同時に求められる、水泳競技(Aquatics)を代表するチームスポーツです。

KAKU SPORTS OFFICEでは、水球を「単なる競技」としてではなく、

**人を育て、社会とつながり、世代を超えて受け継がれていく“文化”**として捉えています。

そのために欠かせないのが、育成年代、特に小学生年代(A区分)の選手にふさわしいゲーム環境を整えることです。

水球を通して、子どもたちが将来に向けて大きく成長していくために。

私たちは、小学生の水球のあり方について提言します。

提言:小学生年代(A区分)の水球を「5人制」に

目的①|生涯スポーツとしての水球

水球を、誰もが関わり、楽しみ続けられる

**「生涯スポーツとしての競技スポーツ文化」**にすること。

目的②|ハイパフォーマンススポーツとしての水球

将来的に、日本代表がオリンピック、世界選手権でベスト8常連国となるための土台を育てること。

この2つは対立するものではなく、

育成年代にふさわしい環境づくりから同時に実現できるものだと私たちは考えています。

なぜ「5人制水球」なのか

日本社会の将来を担う子どもたちにとって、この年代での経験は「結果」よりも経験の質と量が重要です。

5人制水球は、

•ボールに関わる頻度が高い

•ゴール前の攻防が多く生まれる

•すべての選手が攻守両面に関われる

という点で、小学生年代に非常に適したゲーム環境です。

ボールに触れ、考える回数が増える

7人制に比べて人数が少ない5人制では、

ボールタッチの回数=判断の回数が自然と増えます。

見るべき情報も整理され、「いつ・どこで・どうプレーするか」という判断が明確になります。

水球に必要な基礎経験が積み重なる

•立体・横体・平体の泳法の活用

•6mエリア内での攻防

•ゴール前のシュート場面の攻撃と守備の駆け引き

これらは将来の競技力向上に不可欠な要素であり、5人制はそれらを無理なく、繰り返し経験できる環境をつくります。

すべての選手が「水球の全体像」を知る

5人制では、

•ゴールキーパーを含め全員が攻撃参加する

•全員がゴールを守り、ボールを奪う守備をする

という場面が多く生まれます。

特定のポジションに固定されるのではなく、常に攻守に関わり続ける中で、水球というゲーム全体を理解していく

これは、日本の課題である得点力・守備力・戦術実行力の向上にもつながります。

主体性と調和を育むボールゲーム体験

5人制水球は、ゴールを奪い合う「対人型のボールゲーム」だからこそ、

•自ら考え、行動する主体性

•仲間と協力し合う調和の感覚

その両方を、実体験として学ぶ機会になります。

成功も失敗も、すべてが学び。

その積み重ねが、水球への理解を深め、**「もっとやりたい」「もっと上手くなりたい」**という内発的な意欲を育てます。

すべての選手(子どもたち)にプレー機会を

5人制水球(ゲームデザイン案)

•フィールドサイズ:25m→11m × 20m→11m

•イエローエリア:6m→5m

•レッドエリア:2m→1m

•ペナルティスロー:5m→4m

•5人制(フールドプレーヤー4名+ゴールキーパー1名)

ゲーム形式

•4ピリオド制

•第1〜3ピリオド:ランニングタイム4分(タイムアウトなし)

•第4ピリオド:プレーイングタイム4分(タイムアウトあり)

•ショットクロック28秒(18秒)

•ベンチ登録選手は全員出場(第1P、第2P、3Pは原則選手交代なし)

•各ピリオド開始:センター

•得点後の再開:失点側ゴールライン

小学生年代に「大きすぎるフィールド」は必要か

小学生年代の試合では、

•発育が早い

•体が大きい

•泳力・遠投力に優れた

1〜2名の選手に依存することで、チームが好成績を収めるケースも少なくありません。

しかし指導者に求められるのは、目先の勝敗よりも、子どもたちの将来を見据えた環境づくりです。

5人制は、25mフィールドのハーフサイズをさらに調整し、2面を並行して使用することを基本とします。

•多くの選手が同時にプレーできる

•一人ひとりの関与度が高まる

•運営・場所確保もスムーズ

結果として、すべての子どもが「自分もゲームの一員だ」と感じられる環境が生まれます。

地域・クラブでの5人制水球大会の開催への期待

育成年代のゲーム、大会を5人制にすることで、

•プレー機会の増加

•指導者の学びと成長

•子ども・大人双方が水球の魅力に触れる機会

が広がっていきます。

水球を「一部の人たちのもの」ではなく、みんなで育て、みんなで楽しむ文化へ

その第一歩として、私たちは小学生年代の5人制水球を提案します。

小学生(A区分)年代の水球について語り合う

そして、今回の「水球って、どんなスポーツ? ──小学生年代のゲーム環境を考える」の記事が小学生年代の水球について、関係者が語り合うきっかけになることを期待しています。

■ 最後に

この記事についてのご意見・ご感想をぜひお寄せください。

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スポーツシステムコーディネーター 角田壮監

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

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