水球の試合を見たことはあるけど──
「何が起きているのか、正直よくわからなかった」
「ファウルが多すぎてルールが難しい」
そんな声をよく聞きます。
でも、一度“観るポイント”がわかると、水球はとてもエキサイティングで戦略的なスポーツだと気づくはずです。
今回は、初心者でも楽しめる観戦のコツと注目プレーをご紹介します。
•得点に最も近い「センター」ポジションに注目!
•水球の醍醐味であるゴール前の攻防は、技術・体力・判断力、決断力が試される場面です。
•センターフォワード(CF|フローター)の能力が、チーム攻撃のデザインの中核となる。
•センターバック(CB|フローターバック)は、反則を避けながら身体で止める技術と知性が鍵。
•ゴールキーパーの攻守に渡る活躍がチームの勝敗に大きく影響。
•ファウルにより一時的に相手チームが数的不利になる「退水」が発生します。
•この短い時間に攻撃側が数的優位をどう活かすかが、試合の展開に大きく関わります。
水球では、シュートが止められたり、ボールを奪われた瞬間に攻守が一気に切り替わります。
•シュートストップ やインターセプト→ 攻守切り替え → 逆襲(カウンター)、速攻
•相手の戻りが遅れていれば、数的優位で一気にゴールを狙う大チャンス!
観ていて最もスリリングな瞬間のひとつです。
水球にはチームごとにさまざまな戦い方があります。
スタイル | 特徴 |
パス重視型 | パスを活用し守備のミスを誘発、コンビネーションでゴールを狙う |
ドライブ型 | 外の選手が内側へ泳ぎ込んでマークを外しチャンスを作る |
センター起点型 | センターへ集め、個の力や引きつけから得点チャンスを作る |
カウンター型 | 相手を自陣に引き込み、ボール奪還後、相手帰陣前に得点機会創出 |
▶ 好チームほど、複数のスタイルを柔軟に切り替える戦術力を持っています。
水中で起きる反則は見えにくいため、**審判のシグナル(ハンドサイン)**が重要なヒントになります。
シグナル | 意味 |
指を上に挙げて指差す | 軽いファウル(相手ボール) |
両手で頭をタップ | 退水(20秒間の一時退場) |
両腕をクロスして構える | ペナルティスロー(5mラインからの1対1 |
これを知っているだけでも、「何が起きたか」がわかって観戦がグッと楽しくなります。
日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(ダウンロード)
2025 年度水球競技規則ガイドライン ダウンロード
•ボールを持っていない選手の動きや駆け引きにも注目!
•タイムアウト後のプレーに集中すると、チームの狙いが見える!
•笛がなったら、審判の動き(シグナル)に注目してみよう!
相手の意図を読む戦術眼。シュートを止める勇気と反射神経。攻撃の起点としても注目のポジション。
ゴール前密集地帯の主役。駆け引き・技術・体力を融合させたポジション。水球の魅力、醍醐味が凝縮。
CF:センターフォワード(フローター)攻撃側のセンタープレーヤー
CB:センターバック(フローターバック)CFの攻撃を封じ込めるセンタープレーヤー
ゲームの主導権を握るポジション。特に水球IQが問われ、攻守両面で重要な働きをします。
チームの“エース級”が配置されやすいエリア。チャンスメイクやシュート力が求められます。
💡なぜエースは左サイド?
多くの選手が右利きのため、左サイドからの方が体の向き的にシュートしやすいという理由があります。
「退水?」「ドライブ?」「ショットクロック?」
観戦やルール理解に役立つ、やさしい用語解説をお届けします。
KAKU SPORTS OFFICE
水球を「する」「見る」「学ぶ」「支える」すべての人へ
•日本水泳連盟『競技力向上指導指針準備号』(2023)
※編著者:角田壮監、安田純輝(リンク)
•日本水泳連盟『公認水泳競技コーチデベロップメントワークショップ2023報告書
※編集:角田壮監、水野智佳子(リンク)
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「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。
KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。