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水球ってどんなスポーツ? 第2回:観戦の楽しみ方と注目プレー “何が起きてるの?”が“だから面白い!”に変わる、水球観戦のヒント集

2025.07.12

水球の試合を見たことはあるけど──

「何が起きているのか、正直よくわからなかった」

「ファウルが多すぎてルールが難しい」

そんな声をよく聞きます。

でも、一度“観るポイント”がわかると、水球はとてもエキサイティングで戦略的なスポーツだと気づくはずです。

今回は、初心者でも楽しめる観戦のコツと注目プレーをご紹介します。

🔍 1. 基本の見どころ3つ

ゴール前の攻防(GKの活躍、CFとCBの身体能力と心理戦)

•得点に最も近い「センター」ポジションに注目!

•水球の醍醐味であるゴール前の攻防は、技術・体力・判断力、決断力が試される場面です。

•センターフォワード(CF|フローター)の能力が、チーム攻撃のデザインの中核となる。

•センターバック(CB|フローターバック)は、反則を避けながら身体で止める技術と知性が鍵。

ゴールキーパーの攻守に渡る活躍がチームの勝敗に大きく影響

退水(エクスクルージョン)とパワープレー

•ファウルにより一時的に相手チームが数的不利になる「退水」が発生します。

•この短い時間に攻撃側が数的優位をどう活かすかが、試合の展開に大きく関わります。

🔄 2. 攻守の切り替えが早い!

水球では、シュートが止められたり、ボールを奪われた瞬間に攻守が一気に切り替わります。

•シュートストップ やインターセプト→ 攻守切り替え → 逆襲(カウンター)、速攻

•相手の戻りが遅れていれば、数的優位で一気にゴールを狙う大チャンス!

観ていて最もスリリングな瞬間のひとつです。

🏊‍♀️ 3. チームのプレースタイルに注目!

水球にはチームごとにさまざまな戦い方があります。

スタイル 特徴
パス重視型 パスを活用し守備のミスを誘発、コンビネーションでゴールを狙う
ドライブ型 外の選手が内側へ泳ぎ込んでマークを外しチャンスを作る
センター起点型 センターへ集め、個の力や引きつけから得点チャンスを作る
カウンター型 相手を自陣に引き込み、ボール奪還後、相手帰陣前に得点機会創出

▶ 好チームほど、複数のスタイルを柔軟に切り替える戦術力を持っています。

🧑‍⚖️ 4. 審判のシグナルを見てみよう

水中で起きる反則は見えにくいため、**審判のシグナル(ハンドサイン)**が重要なヒントになります。

シグナル 意味
指を上に挙げて指差す 軽いファウル(相手ボール)
両手で頭をタップ 退水(20秒間の一時退場)
両腕をクロスして構える ペナルティスロー(5mラインからの1対1

これを知っているだけでも、「何が起きたか」がわかって観戦がグッと楽しくなります。

▶️もっと詳しく知りたい方は

日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(ダウンロード)

2025 年度水球競技規則ガイドライン ダウンロード

💬 5. “水球”を楽しめる観戦のポイントは?

ボールを持っていない選手の動きや駆け引きにも注目!

タイムアウト後のプレーに集中すると、チームの狙いが見える!

笛がなったら、審判の動き(シグナル)に注目してみよう!

🎯 選手(ポジション別)に注目!

ゴールキーパー(GK)

相手の意図を読む戦術眼。シュートを止める勇気と反射神経。攻撃の起点としても注目のポジション。

センター(CF)(CB)

ゴール前密集地帯の主役。駆け引き・技術・体力を融合させたポジション。水球の魅力、醍醐味が凝縮。

CF:センターフォワード(フローター)攻撃側のセンタープレーヤー

CB:センターバック(フローターバック)CFの攻撃を封じ込めるセンタープレーヤー

右サイド(0・45度)

ゲームの主導権を握るポジション。特に水球IQが問われ、攻守両面で重要な働きをします。

左サイド(0・45度)

チームの“エース級”が配置されやすいエリア。チャンスメイクやシュート力が求められます。

💡なぜエースは左サイド?

多くの選手が右利きのため、左サイドからの方が体の向き的にシュートしやすいという理由があります。

🔗 次回予告|第3回:水球用語ミニ辞典(観戦者向け)

「退水?」「ドライブ?」「ショットクロック?」

観戦やルール理解に役立つ、やさしい用語解説をお届けします。

🖋 執筆・監修

KAKU SPORTS OFFICE

水球を「する」「見る」「学ぶ」「支える」すべての人へ

https://kakusportsoffice.com

出典・参考資料

•日本水泳連盟『競技力向上指導指針準備号』(2023)

 ※編著者:角田壮監、安田純輝(リンク)

•日本水泳連盟『公認水泳競技コーチデベロップメントワークショップ2023報告書

 ※編集:角田壮監、水野智佳子(リンク)

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スポーツシステムコーディネーター 角田壮監

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

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