野球にも、ラグビーにも、サッカーにもある“ポジション番号”。
もちろん、水球にもポジション番号があります。
しかし、水球のゴールキーパーには──番号がない。
その理由を探りながら、水球という競技の未来を見つめます。
野球で「1番」といえばピッチャー。ラグビーでは「1番」は左プロップ、「10番」はスタンドオフ。チームで行うボールゲーム(スポーツ)には、ポジションと役割を示す番号があります。
これらの番号は、背番号とは異なり、チーム内での役割配置や戦術理解を共有するための“共通言語”です。
番号は戦術を整理し、選手・指導者・観客が競技をより深く理解するための文化でもあります。
では、水球ではどうでしょうか。
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水球は1チーム7名で構成されます。
主なポジションは次のとおりです。
•ゴールキーパー
•ドライバー
•フローター
•フローターバック
一般的に使われているポジション番号は以下の通りです。
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番号 |
ポジション |
主な役割 |
|
1 |
ドライバー(右1列目) |
攻撃方向右側最前列の攻防 |
|
2 |
ドライバー(右2列目) |
攻撃方向右側第2列の攻防 |
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3 |
フローターバック |
中央後方での攻防 |
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4 |
ドライバー(左2列目) |
攻撃方向左側第2列の攻防 |
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5 |
ドライバー(左1列目) |
攻撃方向左側第1列の攻防 |
|
6 |
フローター |
中央最前列での攻防 |
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― |
ゴールキーパー |
中央最後方での攻防 |
ご覧の通り、水球ではゴールキーパーに対応するポジション番号が存在していません。
これは、戦術上「6人のフィールドプレーヤー+1人のゴールキーパー」として構成されてきた歴史的な流れによるものです。
しかし、果たしてそれで良いのでしょうか?

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KAKU SPORTS OFFICEでは、次のように考えています。
**次世代のゴールキーパーは、「守護神」では終わらない。**
ゴールキーパーは、チームの最後尾から試合全体を俯瞰し、戦術をコントロールし、主体的に局面の攻防に関与、仲間を鼓舞し、戦術的指示を出す存在です。
つまり、**ゴールを守るだけでなく、チームを機能させるリーダー=ゴールプレーヤー(GP)**なのです。
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従来のポジション番号1〜6番を踏襲にして、ゴールキーパーを7番にする考えもあります。
ですが、競技規則ではゴールキーパーは赤いキャップの「1番」と「13番」が指定されています。
このことからも、「1番=ゴールプレーヤー」と位置づけるのが自然な流れ。
その流れからの提案として、ポジション番号を次のように整理します。
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番号 |
ポジション |
略称 |
|
1 |
ゴールプレーヤー |
GP |
|
2 |
センターバック |
CB |
|
3 |
センターフロント |
CF |
|
4 |
ドライバー(右1列目) |
RD1 |
|
5 |
ドライバー(左1列目) |
LD1 |
|
6 |
ドライバー(右2列目) |
RD2 |
|
7 |
ドライバー(左2列目) |
LD2 |
このように整理することで、チーム内の共通言語が生まれ、コーチ・選手・メディア・ファンの間での理解とコミュニケーションが深まるはずです。

ポジション番号は、単なる数字ではありません。
それは、競技の戦術を理解し、共有するための共通言語であり文化的装置です。
水球におけるゴールキーパー──いや、**ゴールプレーヤー(GP)**は、チーム戦術の中心に立つ「7名のプレーヤーの重要な1人」として、これからの水球をデザインしていく存在になるでしょう。
KAKU SPORTS OFFICEでは、水球の発展と水球文化の深化のため、ゴールプレーヤー(GP)に「1番」を。
この新しい“番号の文化”を提言します。
🔗新時代の水球ゴールキーパーは「守護神」では終わらない
── KAKU SPORTS OFFICEが提言する“次世代GK育成”の重要性 (リンク)
GK育成に関心のある方、すでに現場で実践している方。
また、水球を支える立場で何か力になりたいと感じている方。
どんな立場からでも構いません。
このプロジェクトは、問いかけと対話から生まれる文化運動でもあります。
ご意見・ご感想・情報提供など、どんな形でもかまいません。
あなたの声が、この挑戦を支える力になります。
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最後に──
KAKU SPORTS OFFICEは、「人を育てるスポーツ」としての水球の可能性を、これからも探究していきます。
ゴールを守るだけではなく、チームを本物の勝利に導くGP、水球の魅力・醍醐味を誰よりも楽しむことができるGP を育てたい。
それが、私たちの願いであり、挑戦です。
「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。
KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。