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なぜ、水球のゴールキーパーに番号がないのか?──「守護神」から「ゴールプレーヤー」への提言

2025.10.25

野球にも、ラグビーにも、サッカーにもある“ポジション番号”。

もちろん、水球にもポジション番号があります。

しかし、水球のゴールキーパーには──番号がない。

その理由を探りながら、水球という競技の未来を見つめます。

なぜ、水球のゴールキーパーにポジション番号がないのか?

野球で「1番」といえばピッチャー。ラグビーでは「1番」は左プロップ、「10番」はスタンドオフ。チームで行うボールゲーム(スポーツ)には、ポジションと役割を示す番号があります。

これらの番号は、背番号とは異なり、チーム内での役割配置や戦術理解を共有するための“共通言語”です。

番号は戦術を整理し、選手・指導者・観客が競技をより深く理解するための文化でもあります。

では、水球ではどうでしょうか。

水球のポジションと番号の不思議

水球は1チーム7名で構成されます。

主なポジションは次のとおりです。

•ゴールキーパー

•ドライバー

•フローター

•フローターバック

一般的に使われているポジション番号は以下の通りです。

番号

ポジション

主な役割

1

ドライバー(右1列目)

攻撃方向右側最前列の攻防

2

ドライバー(右2列目)

攻撃方向右側第2列の攻防

3

フローターバック

中央後方での攻防

4

ドライバー(左2列目)

攻撃方向左側第2列の攻防

5

ドライバー(左1列目)

攻撃方向左側第1列の攻防

6

フローター

中央最前列での攻防

ゴールキーパー

中央最後方での攻防

ご覧の通り、水球ではゴールキーパーに対応するポジション番号が存在していません。

これは、戦術上「6人のフィールドプレーヤー+1人のゴールキーパー」として構成されてきた歴史的な流れによるものです。

しかし、果たしてそれで良いのでしょうか?

守護神から“ゴールプレーヤー”へ

KAKU SPORTS OFFICEでは、次のように考えています。

**次世代のゴールキーパーは、「守護神」では終わらない。**

ゴールキーパーは、チームの最後尾から試合全体を俯瞰し、戦術をコントロールし、主体的に局面の攻防に関与、仲間を鼓舞し、戦術的指示を出す存在です。

つまり、**ゴールを守るだけでなく、チームを機能させるリーダー=ゴールプレーヤー(GP)**なのです。

番号を持つことで、役割が見える

従来のポジション番号1〜6番を踏襲にして、ゴールキーパーを7番にする考えもあります。

ですが、競技規則ではゴールキーパーは赤いキャップの「1番」と「13番」が指定されています。

このことからも、「1番=ゴールプレーヤー」と位置づけるのが自然な流れ。

その流れからの提案として、ポジション番号を次のように整理します。

番号

ポジション

略称

1

ゴールプレーヤー

GP

2

センターバック

CB

3

センターフロント

CF

4

ドライバー(右1列目)

RD1

5

ドライバー(左1列目)

LD1

6

ドライバー(右2列目)

RD2

7

ドライバー(左2列目)

LD2

このように整理することで、チーム内の共通言語が生まれ、コーチ・選手・メディア・ファンの間での理解とコミュニケーションが深まるはずです。

新時代の水球文化に「番号の意味」を

ポジション番号は、単なる数字ではありません。

それは、競技の戦術を理解し、共有するための共通言語であり文化的装置です。

水球におけるゴールキーパー──いや、**ゴールプレーヤー(GP)**は、チーム戦術の中心に立つ「7名のプレーヤーの重要な1人」として、これからの水球をデザインしていく存在になるでしょう。

KAKU SPORTS OFFICEでは、水球の発展と水球文化の深化のため、ゴールプレーヤー(GP)に「1番」を。

この新しい番号の文化を提言します。

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スポーツシステムコーディネーター 角田壮監

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

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