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水球ってどんなスポーツ? 第3回|水球用語ミニ辞典:観戦が楽しくなる13の基本ワード+ゴールキーパー視点で深掘り!

2025.07.14

「ルールはなんとなくわかったけど、実況や解説の言葉がちょっと難しい…」

そんな方のために、**水球観戦がもっと楽しくなる“基本ワード13選”**をご紹介します。

さらに今回は、ゴールキーパー(GK)というポジションの深さや魅力を、専門用語とともにご紹介。

これを読むと、水球を“GKの視点”から楽しむ新しい見方がきっと見つかります。

🟦 観戦が楽しくなる!基本用語13選

用語  terms 解説
ゴールキーパー Goalkeeper 自陣ゴール前で唯一ボールを両手で扱える選手
ショットクロック Shot Clock 攻撃時の制限時間(28秒以内)にシュート
ピリオド Period 試合は8分×4ピリオド。ピリオド間にインターバル 
スイムオフ Swim-Off 各ピリオド開始時に中央のボール獲得の泳ぎ出し
ゴールエリア Goal Area ゴール前エリア。GKの守備権が優先されるゾーン
オフサイド Offside 攻撃側がボールより先に2m以内に入ると反則
再入水エリア Re-entry Area 退水後に選手が復帰できる所定の位置
ペナルティファウル Penalty Foul 明確な決定機阻止などで適用される重度の反則
ペナルティスロー Penalty Throw  5mラインから1対1シュート。試合を左右する場面
オーディナリーファウル   Ordinary Foul よくある軽い反則。マークや妨害などが対象
 退水 Exclusion 一定の反則で選手が一時的に退場。一方が数的有利
 退場 Substitution 退水3回や重大反則で試合から退場。再入水なし。
デレゲート Delegate 試合を統括する運営責任者。抗議対応なども担当

▶️もっと詳しく知りたい方は

日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』ダウンロード

2025 年度水球競技規則ガイドライン ダウンロード

🧤 GKの動き・考え方が見えてくる!用語10選

ゴールキーパーは“シュートを止める人”と思っていませんか?

実は水球におけるGKは、守備の最後尾であり、攻撃の第一歩でもある戦術のキープレイヤーです。

🦵 動作・身体スキル編

用語 解説
巻き足 上体を安定させる回転系のキック。GKの基本姿勢を支える技術。
踏み足 体を押し上げるキック。シュート対応やポジション修正に使用。
引き足 方向転換、間合いを調整するフットワーク。(参考動画
スカーリング 手のひらを細かく動かして姿勢を保つ動き。GKの“浮遊感”の秘密

🛡 守備方式・判断スキル編

用語 解説
マンツーマンディフェンス 1対1で対峙する守備戦術。決壊時にGKの指示で必須。
パスラインディフェンス パスコースを封鎖する守備戦術。GKの判断、決断が要。

🎯 シュート対応と司令塔機能

用語 解説
セーブ ポジショニング・構え・予測・反応でシュート阻止。GKの最大の見せ場。
配球 攻撃の起点を担う。GKの的確な判断と正確なパスで攻撃を開始。
コーチング フィールド全体を把握。戦況や配置修正の伝達。GKの統率力。

▶️もっと詳しく知りたい方は

日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』ダウンロード

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コラム|GKは守護神ではなく、“プール内の監督”かもしれない

ゴールキーパーといえば「守備の最後の砦」という印象を持つ人も多いかもしれません。

けれど──

水球におけるGKは、“守護神”というより、“プール内の監督”なのです。

•戦況を的確に把握し、課題解決の方針を伝達する

•自らの判断、決断で守備組織の安定を維持する

•セーブだけでなく、攻撃の起点となるパスを供給する

つまり、GKはチームを機能させるための頭脳と視野を持つリーダー

ポジションの最深部にいながら、誰よりも状況を俯瞰し、

戦況を理解し、仲間を支え、ゲームを創る存在

それが、“現代水球のゴールキーパーに求められる資質”です。

 

👀 次回予告|第4回:2025年ルール改正まとめ(速報編)

•「ショットクロックって28秒?」「タイムアウトはいつ使える?」

•2025年7月に更新された最新版競技規則を、図解とともにわかりやすく解説します!

🖋 執筆・監修

KAKU SPORTS OFFICE

水球を「見る」「学ぶ」「支える」すべての人へ

https://kakusportsoffice.com

出典・参考資料

•World Aquatics philosophy(リンク)

•World Aquatics『Competition Regulations (July 2025版)』(リンク)

•World Aquatics『Water Polo Glossary』(2024年版)(リンク)

•日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(リンク)

•日本水泳連盟『2025年度 水球競技規則ガイドライン』(リンク)

•日本水泳連盟『競技力向上指導指針準備号』(2023)

 ※編著者:角田壮監、安田純輝(リンク)

•日本水泳連盟『公認水泳競技コーチデベロップメントワークショップ2023報告書

 ※編集:角田壮監、水野智佳子(リンク)

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スポーツシステムコーディネーター 角田壮監

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

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