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水球(Water Polo)ってどんなスポーツ? 序章:水球の精神 ─ “水中の格闘技”から“水上のボールゲーム”へ 

2025.07.12

水球(”Water Polo”)はこれまで「水中の格闘技」と呼ばれてきました。

それは、激しい接触や肉体的ぶつかり合いが主眼のように見えるシーンが多かったからかもしれません。けれど、私たちはそこに問いかけます。

本当にそれが、水球の本質でしょうか?

見えない水中での反則、引っ張り合い、時にユニフォームが破れるような行為。さらに、我が国の試合では、審判への執拗な抗議や、判定への圧力とも取れる暴言・振る舞いが繰り返されている現実もあります。

これはルールの限界ではなく、価値観の問題です。

💡 私たちが描く“水球のありたい姿”

水球(Water Polo)は、地球上で唯一「水の環境」で行われるゴール型チームスポーツです。

それだけで、すでにかけがえのない価値を持っています。

そこに必要なのは、

タフで、フェアで、クリエイティブな競技スポーツ文化

フェアプレー(公正・公平・誠実・安全安心 )

グッドプレー(心技体知、最善を尽くす)

対戦相手へのリスペクト(敬意・感謝)

 審判への敬意  

勝者・敗者が互いを称え合う姿勢  

高め合い・学び合い、支え合える安全・安心な環境

心豊かな社会づくりへの貢献

競技スポーツは、選手や監督、コーチだけで発展するものではありません。

する人、観る人、支える人、ジャッジする人──すべての存在が共に文化をつくることに気づく機会こそが、今必要なのです。

🌍 世界は今、進化している。

2023年、日本水泳連盟が発行した『競技力向上指導指針準備号』はこう述べています:

競技スポーツは、人々の心を豊かにする、世界共通の文化である。

さらに、同年10月に開催された公認水泳競技コーチ向けのワークショップでは、競技・国籍を越えたコーチ同士の対話を通じて“誰もが輝ける心豊かなアクアティクスワールド”の実現が語られました。

この精神は、まさに水球が“格闘技”から“文化”へ進化するための鍵でもあります。

水球(Water Polo)は“文化”になれる。

“水中の格闘技”から“、水上で心を通わせるボールゲーム”へ。

そして、フェアで、尊重しあい、誰もが創造的に関われる競技スポーツとして、水球を“単なる競技”から“文化”へと育てながら、未来の世代へ誇りを持って手渡していく──それが今、私たち一人ひとりの役割です。

水球ってどんなスポーツ?次回予定

次回は、「水上で展開する知的なチームスポーツの世界へようこそ。」

水球ってどんなスポーツ?「👉 第1回|水球の基本ルールはこちら」

出典・参考資料

•日本水泳連盟『競技力向上指導指針準備号』(2023)

 ※編著者:角田壮監、安田純輝(リンク)

•日本水泳連盟『公認水泳競技コーチデベロップメントワークショップ2023報告書

 ※編集:角田壮監、水野智佳子(リンク)

 

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スポーツシステムコーディネーター 角田壮監

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

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