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水球ってどんなスポーツ? 第4回|水球競技規則の最新情報 2025年ルール改正の主なポイント(解説付き)(v1.1)

2025.07.15

2025年7月1日、World Aquatics(世界水泳連盟)は、水球競技規則の最新版を正式に施行しました。今回のルール改正は、「試合のテンポ向上」や「安全性の強化」を目的に、構造的かつ文化的なアップデートが図られています。

このページでは、変更点の中でも特に重要な6項目を、わかりやすく解説します。すべての内容は、World Aquatics公式文書をもとにした「非公式翻訳・注釈付き」ガイドです。

※ 国内大会への即時反映は状況により異なるため、各種連盟・大会要項の確認をおすすめします。

🕒 ショットクロック|25秒 → 28秒に延長(男女共通)

ショットクロックとは?

ボール保持側がシュートを打たなければならない制限時間のこと。バスケットボールの24秒ルールに近い考えです。

→ 28秒へ延長されたことで、判断・構成・工夫ができる余白が生まれました。

🕹 タイムアウト|前半・後半に各1回(計2回)

タイムアウトとは?

監督が試合を一時止め、選手に指示を出す時間(通常1分)です。

→ 限られたタイムアウト数の中で「いつ使うか」が試合のカギを握ります。

🏊‍♀️ プールサイズ|25.6m × 20.0m に統一

従来: 男子は30m前後、女子は25mだったため、戦術や育成環境に差がありました。

→ 今後はすべて25.6mに統一され、男女共通・試合運営の効率化が期待されます。

🚪 再入水時間|20秒 → 最短18秒(条件付き)

再入水とは?

ファウルによる退水(退場)後、プールに戻るまでの待機時間。

→ パワープレー(数的優位)の時間が短縮される可能性があり、戦術に影響を与えます。

🎤 テクニカルエリアの明確化

テクニカルエリアとは?

監督が立って指示できるエリア。過剰なコーチングや抗議を制限するため、範囲が明示的に設定されました。

⚠️ 危険行為の明文化

「見えない反則」対策の強化。

相手を叩く・引っ張るなどの危険行為に対して、より明確な罰則が導入されました。

📘 全体像のご案内|30か所超・8つのテーマ

実際のルール改正は以下の8テーマに及びます:

1. 競技エリア・用具

2. チーム編成

3. 試合時間

4. 試合再開

5. 反則体系

6. ゴールキーパーに関する

7. タイムアウト/VAR

8. 判定運営

🔗 さらに詳しく知りたい方へ

以下の公式資料をご参照ください:

•📄 World Aquatics『Competition Regulations (July 2025版)』(リンク)

•📝 World Aquatics『Water Polo Glossary』(2024年版)(リンク)

試合中のゴールキーパー登録変更が明記

GK(ゴールキーパー)に関する2025年改正ルールでは、「試合中にFP(フィールドプレーヤー)がGKとして再登録できる」制度が追加されました。試合中にフィールドプレーヤー(FP)をGKとして登録変更できることが明記されました。

条件は以下のとおり:

•主審・デレゲートへの申告

•赤キャップ(背番号入り)の着用

•指定中はGKとしてのみプレーする義務

現時点では国内資料に明記されていませんが、国際大会での対応が先行して進んでいます。

🔗 さらに詳しく知りたい方へ

以下の公式資料をご参照ください:

•📄 World Aquatics『Competition Regulations (July 2025版)』(リンク)

•📝 World Aquatics『Water Polo Glossary』(2024年版)(リンク)

👀 次回予告|第5回:世界と日本の水球を知ろう

次回は、水球の“過去・現在・未来”を知る入門編!

•水球の起源と五輪・世界選手権

•世界の強豪国と有名選手たち

日本代表の挑戦とレジェンド紹介

🖋 執筆・監修

KAKU SPORTS OFFICE

水球を「見る」「学ぶ」「支える」すべての人へ

https://kakusportsoffice.com

出典・参考資料

•World Aquatics philosophy(リンク)

•World Aquatics『Competition Regulations (July 2025版)』(リンク)

•World Aquatics『Water Polo Glossary』(2024年版)(リンク)

•日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(リンク)

•日本水泳連盟『2025年度 水球競技規則ガイドライン』(リンク)

•日本水泳連盟『競技力向上指導指針準備号』(2023)

 ※編著者:角田壮監、安田純輝(リンク)

•日本水泳連盟『公認水泳競技コーチデベロップメントワークショップ2023報告書

 ※編集:角田壮監、水野智佳子(リンク)

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スポーツシステムコーディネーター 角田壮監

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

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アスリート思考で心豊かな社会づくりをクリエイトする

KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。

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