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水球ってどんなスポーツ? 第1回:ルールと試合の流れ “激しいだけじゃない”  水上で展開する知的なチームスポーツの世界へようこそ。

2025.07.12

水球と聞いて、どんなイメージを持っていますか?

「激しい」「ぶつかり合い」「泳ぎが得意じゃないと無理そう」──そんな印象をお持ちの方も多いかもしれません。

けれど実は、水球はチームワークと戦術、瞬時の判断力が求められる非常に知的なスポーツでもあります。

このシリーズでは、水球の魅力やルールを、初めての方にもわかりやすく紹介していきます。

第1回のテーマは「試合の基本ルールと流れ」です。

📘 1. 何人でプレーするの?

水球は、1チーム7人でプレーします。

内訳は、フィールドプレーヤーが6人、ゴールキーパーが1人

ゴールキーパーは、赤いスイムキャップを着用。

サッカーやバスケットボールのように、攻撃と守備を交互に繰り返しながら、相手ゴールにボールを入れて得点を競います。

▶️もっと詳しく知りたい方は

日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(ダウンロード)

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2. 試合時間と勝敗の決まり方

•試合は【1ピリオド8分間×4ピリオド】

反則などでプレイが止まると時計が止まる「プレイングタイム制」

ピリオド間インターバル:

第1ピリオドと第2ピリオドの間:2分

第2ピリオドと第3ピリオドの間のハーフタイム:3分

第3ピリオドと第4ピリオドの間:2分

・タイムアウト:各チームは1分間のタイムアウトを2回までリクエスト可。

•同点の場合は、延長戦やペナルティシュート(大会による)

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📏 3. プールの大きさと特徴

2025年のルール改正により、**男子女子共に「25.6m × 20.0m」**となりました。

•深さは足がつかないように設計されており、選手は常に浮きながらプレーします

•ゴールは両端に1つずつ。センターライン・2mライン・5mラインなどが引かれています

引用元:•World Aquatics『Competition Regulation』

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🏐 4. 基本ルールのポイント

•水中でプールの底に足をついてはいけません

•ボールは片手で扱います(GKのみ両手OK)

•攻撃チームには**28秒以内にシュートを打つ制限(ショットクロック)**があります

•ボールを持たない選手への接触プレーの中には、反則になるものがあります

•反則の内容毎の再開方法(ファウル・退水・ペナルティ)があります

 

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🧭 5. 試合の流れ(ざっくりイメージ)

1.センターラインから「スイムオフ」で開始

2.パスやドリブルでゴールに迫る

3.相手ディフェンスと駆け引きしながら、タイミングを見てシュート!

4.相手ボールになったら、今度は守備へ切り替え

5.4ピリオド合計で、より多く得点したチームが勝利となります

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💡 水中ならではの競技の特徴

水球は足がつかない深さのプールで行われるため、全選手が水中で浮いた状態でプレーします。

これはゴールキーパーも例外ではありません。

特にゴールキーパーは、水中で体を安定させる「エッグビータキック(巻き足)」という足の動きを使って、

上体を浮かせながらゴールを守ります。

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日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(ダウンロード)

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📎 おまけ:ちょっとした豆知識

•水球は1900年のパリ五輪で男子が正式種目に。女子は2000年のシドニー五輪から。

•実は、水中で笛の音が聞こえるように「水中スピーカー」が使われている試合もあります。

📎水球って、格闘技なの?

水球はこれまで「水中の格闘技」と呼ばれてきました。それは、激しい接触や肉体的ぶつかり合いが主眼のように見えるシーンが多かったからかもしれません。

けれど、私たちはそこに問いかけます。本当にそれが、水球の本質でしょうか?

序章/水球の精神 ─ “水中の格闘”から“水上のボールゲーム”へ

👀 次回予告|第2回:水球の観戦の楽しみ方、ポジション別の注目プレー

「フローターって?」「審判のシグナルにも注目?」

次回は水球のプレーの見どころを初めて水球を観戦される方の目線で楽しく解説します!

第2回:水球の観戦の楽しみ方、ポジション別の注目プレー

🖋 執筆・監修

KAKU SPORTS OFFICE

水球を「する」「観る」「学ぶ」「支える」すべての人へ

https://kakusportsoffice.com

出典・参考資料

•World Aquatics philosophy(リンク)

•World Aquatics『Competition Regulations (July 2025版)』(リンク)

•World Aquatics『Water Polo Glossary』(2024年版)(リンク)

•日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(リンク)

•日本水泳連盟『2025年度 水球競技規則ガイドライン』(リンク)

•日本水泳連盟『競技力向上指導指針準備号』(2023)

 ※編著者:角田壮監、安田純輝(リンク)

•日本水泳連盟『公認水泳競技コーチデベロップメントワークショップ2023報告書

 ※編集:角田壮監、水野智佳子(リンク)

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スポーツシステムコーディネーター 角田壮監

「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。

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