水球と聞いて、どんなイメージを持っていますか?
「激しい」「ぶつかり合い」「泳ぎが得意じゃないと無理そう」──そんな印象をお持ちの方も多いかもしれません。
けれど実は、水球はチームワークと戦術、瞬時の判断力が求められる非常に知的なスポーツでもあります。
このシリーズでは、水球の魅力やルールを、初めての方にもわかりやすく紹介していきます。
第1回のテーマは「試合の基本ルールと流れ」です。
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水球は、1チーム7人でプレーします。
内訳は、フィールドプレーヤーが6人、ゴールキーパーが1人。
ゴールキーパーは、赤いスイムキャップを着用。
サッカーやバスケットボールのように、攻撃と守備を交互に繰り返しながら、相手ゴールにボールを入れて得点を競います。
日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(ダウンロード)
2025 年度水球競技規則ガイドライン ダウンロード
•試合は【1ピリオド8分間×4ピリオド】
反則などでプレイが止まると時計が止まる「プレイングタイム制」
•ピリオド間インターバル:
第1ピリオドと第2ピリオドの間:2分
第2ピリオドと第3ピリオドの間のハーフタイム:3分
第3ピリオドと第4ピリオドの間:2分
・タイムアウト:各チームは1分間のタイムアウトを2回までリクエスト可。
•同点の場合は、延長戦やペナルティシュート(大会による)
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•2025年のルール改正により、**男子女子共に「25.6m × 20.0m」**となりました。
•深さは足がつかないように設計されており、選手は常に浮きながらプレーします
•ゴールは両端に1つずつ。センターライン・2mライン・5mラインなどが引かれています
引用元:•World Aquatics『Competition Regulation』
日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(ダウンロード)
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•水中でプールの底に足をついてはいけません
•ボールは片手で扱います(GKのみ両手OK)
•攻撃チームには**28秒以内にシュートを打つ制限(ショットクロック)**があります
•ボールを持たない選手への接触プレーの中には、反則になるものがあります
•反則の内容毎の再開方法(ファウル・退水・ペナルティ)があります
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1.センターラインから「スイムオフ」で開始
2.パスやドリブルでゴールに迫る
3.相手ディフェンスと駆け引きしながら、タイミングを見てシュート!
4.相手ボールになったら、今度は守備へ切り替え
5.4ピリオド合計で、より多く得点したチームが勝利となります
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水球は足がつかない深さのプールで行われるため、全選手が水中で浮いた状態でプレーします。
これはゴールキーパーも例外ではありません。
特にゴールキーパーは、水中で体を安定させる「エッグビータキック(巻き足)」という足の動きを使って、
上体を浮かせながらゴールを守ります。
日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(ダウンロード)
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•水球は1900年のパリ五輪で男子が正式種目に。女子は2000年のシドニー五輪から。
•実は、水中で笛の音が聞こえるように「水中スピーカー」が使われている試合もあります。
水球はこれまで「水中の格闘技」と呼ばれてきました。それは、激しい接触や肉体的ぶつかり合いが主眼のように見えるシーンが多かったからかもしれません。
けれど、私たちはそこに問いかけます。本当にそれが、水球の本質でしょうか?
序章/水球の精神 ─ “水中の格闘”から“水上のボールゲーム”へ
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「フローターって?」「審判のシグナルにも注目?」
次回は水球のプレーの見どころを初めて水球を観戦される方の目線で楽しく解説します!
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KAKU SPORTS OFFICE
水球を「する」「観る」「学ぶ」「支える」すべての人へ
•World Aquatics philosophy(リンク)
•World Aquatics『Competition Regulations (July 2025版)』(リンク)
•World Aquatics『Water Polo Glossary』(2024年版)(リンク)
•日本水泳連盟『水泳競技ハンドブック 2023年度版』(リンク)
•日本水泳連盟『2025年度 水球競技規則ガイドライン』(リンク)
•日本水泳連盟『競技力向上指導指針準備号』(2023)
※編著者:角田壮監、安田純輝(リンク)
•日本水泳連盟『公認水泳競技コーチデベロップメントワークショップ2023報告書
※編集:角田壮監、水野智佳子(リンク)
「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。
KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。